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檸檬 ~冬の日~

ずいぶん前に読んだ小説 梶井基次郎著書「檸檬」
これを初めて読んだ頃の私はかなり精神的に不安定であり、
そんな自分から逃れることばかり考えていた。
思い出すのも恥ずかしいくらいに、どうしようもない私。
ただ日々をやり過ごすことで精いっぱいだった。
今にしてみれば愚かしくもあるけれど、あの時期があったからこそ、
今こうしていられるのだと当時の愚かさ弱さも愛しく感じられる。

そんな状態の時に読んだ短編集「檸檬」は、私には重くて暗くて淋しくて哀しくて、、、、
ただそんな気分に浸るばかりであった。

しかし表題作である「檸檬」に関しては、丸善書店の本の上に作者の手によって置かれた
レモンの鮮烈で明るいレモンイエローが、はっきりと自分の頭に浮かんできて、
そこだけが清々しく活力ある空気が漂っている印象を抱いたことは覚えている。
そして、そんなイタズラをしてしまう梶井基次郎が好きだと思った。




最近この短編集「檸檬」を何度か繰り返し読んでみた。
違う!
かつて読んだときの印象とは違って感じられる。


現実的に間近に迫る死を感じるが所以の生に対する執着心が感じられた。
体の衰えとは逆に研ぎ澄まされていく作者の心。
そして彼を取り巻く風景に彼自身が投影されて、そこかしこのもの全てに息が吹き込まれて
迫ってくるような圧倒的な孤独がある。
そのどれもが色彩を帯び、音を奏で、哀しくて美しい。
鋭い観察眼で切り取られ、言葉を駆使して表現される世界は儚いものであるが、
力強く眼前に立ち現れてくるようにも感じられる。
真摯なまでに自我と対峙する強靭な精神力に裏打ちされた筆力が鬼気迫るものがある。


その短編集の好きな箇所を数ある中でひとつだけ紹介したいと思う。


冬陽は郵便受のなかへまで射し込む。
路上のどんな小さな石粒も一つ一つ影を持っていて、見ているとそれがみなエジプトの
ピラミッドのような巨大な悲しみを浮かべている。         
                                 『冬の日』より抜粋




そして私の好きなB’zミニAL『FRIENDS Ⅱ』

「sasanqua~冬の陽」    Music by Tak Matsumoto

同じ「ふゆのひ」・・・・






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2005.11.25 | | Comments(0) | Trackback(0) | 雑感

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