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ベスト本 『告白』

稲葉さんが昨年のベスト本として挙げていた一冊。
予約待ちして、やっと読み終わった。


『告白』    町田 康  著
kokuhaku.jpg


やはり、町田康は私好みの作家ではないかもしれないと思った。
それなりに面白いのだけれども、グイグイ引き込まれたりはしない。
途中で本を閉じるのも全く躊躇せずに、読書を中断できる。
「もっともっと読まずにいられない」とはならなかった。
でも、この本はかなりの力作であり傑作であると思う。



気弱で自意識過剰な主人公。
直情型を嫌い、思弁的思考により心と言葉の落差が大きく、
その振る舞いは常軌を逸したものとして映り、周囲からは狂人変人扱いされる。
表面的には善行とは相対する行いばかりで、一般的には好ましく思われないで
あろう主人公であるが、一概に否定し難いものがある。

自意識過剰ゆえか、不真面目さに生真面目に没入していくという、
彼なりの美意識によって己自身が絡め取られていくように連鎖して
事態は悪化していく。
常に頭の中で思考回路は駆け巡り、それは迷路のようにあちこちへと入り組んで、
思考の発端からどんどん歪曲していってるようで、いたたまれない気持ちになる。

そこには自分と外側の世界との「ズレ」を感じ、他者との関係に折り合いをつけられぬ
人間の懊悩と圧倒的孤独感が迫って、河内弁の軽妙な会話が誘う笑いさえも
何やら一層悲しい。


最終的には残虐な大量殺人に及んだ主人公であるが、そこには人の愚かさと
哀しみがあり、自我にしがみつく執拗さが無垢なる煌きとして見えなくもない。




稲葉さんがベスト本に挙げたのは納得です。
たぶん稲葉さんは、内面を直截的に表出される人ではないでしょう。。。。



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2006.03.23 | | Comments(0) | Trackback(0) | 人・稲葉浩志

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