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車内講演拝聴

先週末の午後11時過ぎだったか、
聞こえてきたある男の声にハッとした。


可愛らしく、たった三杯の生グレープフルーツサワーで少しほろ酔い気分の私は、
つり革につかまって何かを思うでもなく帰路の電車に揺られていた。
乗車してからの周囲の人間観察は素早く済ませていて、
観察して面白そうな人物は特に見当たらなかったのだけれども.....






「キョヒリタイネ!」



はぁ~?キョヒリタイ?....


どうやら前後の言葉からして「拒否りたいね!」ということのようだ。

この言葉を耳にした時点から、
その「キョヒリおとこ」の声に神経を集中させた。



「・・・・・拒否りたいね!」
「オレは今までの嫌な人生を全て拒否りたいね!」

だそうだ。

「Oさん(仮名)から言われることなんて、
オレにとっては石ころほどの障害物でしかない。」
「オレはさんざん虐げられてきたから、もう失うものはないね!」



このキョヒリ男の口調は電車内の会話のようではなくて、
声高で、まるで壇上から語っているかのように
「オレサマ」を強調したような語り口調であり、
私にとっては大変に珍しい観察の対象となった。


そんなに虐げられ、どん底を味わってきたかのように語るキョヒリ男は
いったい何歳くらいでどんな人物なのか?

乗客は、互いの身体が触れ合わずに済む程度ではあるが、
そこそこ満員の車内であり、そのキョヒリ男の姿を確認することは難しい。
でも、聞こえてくる声から判断すると二十代かもしれない。


「人生のマイナスはプラスになるんだ!」
「マイナスは本当はマイナスじゃなくてプラスになるものであって、
オレはマイナスをマイナスにしてこなかった」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

とかなんとか、いかようにプラスに転じてきたかを
ある過去の事例を挙げて語っているようだったが、
私の頭では理解不可能な論理展開であり「?」が頭の中に咲き乱れた。


「いずれ、オレは社長になるから!」
「もうすでにN(仮名)には声をかけてある。」
「Nはオレの部下にしてやってもいいと思ってる。」
「なぜNがいいかというと、アイツは客観的な目を持ってる。」
「客観的であることは持ってないことでも見えるってことだし、
オレに対しても自分の意見がちゃんと言えるんだ。」
「やっぱりそれくらいじゃないと部下としては使えない。」
「もうNには声をかけている。」
「何十年先になるかはわからないけれども、オレは野望を持ってる。」



ただでさえ朦朧とした頭脳のうえにアルコール入りのこの頭で
どうにか記憶できたキョヒリ男の語りの大筋はこんなものだったけれども、
このほかには、人生において一番大事であるのは友情であるとか、
いかに友情を育んできたかなどの話もしていたようだった。


さて、このような内容のキョヒリ男の語りの相手はどんな人かというと、
どうやら少し後輩の女子社員のようであり、
本心かどうかは定かではないが、時々「へぇ~スゴイですねぇ~」と
キョヒリ男を感心しているようだったり、
「じゃぁ、その会社で雇ってくださいね。」なんてことも言っていた。

私からすると、突っ込みどころが満載の内容であったけれども、
立場上かどうかは知らないが、
後輩女子社員と思しき女性はとても好意的な聞き役として、
キョヒリ男の言い分には肯定的な反応を示していた。


このキョヒリ男の講演拝聴時間がおよそ20分ばかりだったろうか、
後半になると、乗客が停車駅で次第に降りていったことで、
車窓に映るキョヒリ男の姿が見えた。
外見は、やはり二十代半ばくらいの駆け出しサラリーマン風だった。
キョヒリ男くんのおかげでなかなかに楽しい車中だった。サンキュー!!




キョヒリ男の語りの内容はともかくとして、
力強く主張できる野望を抱いている彼の前途には、
きっと目指すべき明るい光が見えているんだろう。
それは多分いいことなのだろうと思う。

そんな彼とは対照的に、
悲しいかな、残念ながら私には明るい光が見えてくるどころか、
これからの社会の行く末が怖い。
自分がどうにかなっても不思議ではない社会であることが怖ろしい。

などと悲観的になっているのは夕べ読んだ本のせいだ。
あるひとつの局面においても諸問題が絡み合い、
それらの改善がいかに困難であるかが理解できて、
すごく頷ける内容だけにズッシリと重苦しいものが残っている。

しかし、自分の足りない頭の中でモヤモヤとしていた塊が、
他者の力によって理路整然と明らかにされていくというのは、
本当に目の前の濃霧がサーッっと消えていくようで気持ちいいものだ。



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2007.04.23 | | Comments(0) | Trackback(0) | 雑感

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