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人・女(ひと)・ヒト

傘があっても方々から吹きつけてくるような冷たい雨の昨日。
方向音痴の私は、地図を縦に横へと眺め、道に迷いながら、
出かけないほうがよかったかも....と、後悔がチラリ。


しかし、そんな気持ちを一変させてくれた空間がそこにあった。










「喜如嘉の芭蕉布 平良敏子展」
20071001171503.jpg

沖縄大宜味村喜如嘉に生まれ、ひたむきに芭蕉布に生きる平良敏子さん。その軌跡は「喜如嘉の芭蕉布」が一般に知られてゆく足跡そのものでもありました。「喜如嘉の芭蕉布」は、1974年に重要無形文化財に団体指定され、平良敏子さんも2000年に人間国宝に認定されました。米寿を迎え、いまなお尽きぬ芭蕉布への想いと創作活動の集大成として開催される本展。時代の流れとともに消えつつあった芭蕉布が見事によみがえり、多くの人々に親しまれているのがわかる展覧会です。


たまたま数日前に知ったこの展覧会。(昨日が最終日)
特別に思い入れがあるでもなく、織物に関する知識もないけれど、
なんとなく誘われた。

初めて実際に見た芭蕉布は、書籍で見たものとはまるで違っていた。
規定された色見本にはないような色合いであり、「何色」だとは表現できない色だ。
感じ取ったものを敢えて言葉で表現とするとしたら「自然の恵み色」だろうか。
淡く優しくて、見つめれば見つめるほどに深くてあたたかい。
瞬時に人目を惹きつけたりはしないかもしれないが、
近づくほどに、知るほどに、どんどん好きになってしまう人のような芭蕉布。

長く延べられて展示されている反物の横には、平良さんの言葉書きが点々と置かれていた。
それは喜如嘉の土地の言葉で語られている。
方言はわからないけれども、その言葉をなぞってみれば伝わってくるものがある。
その言葉の持つ音が調べを響かせているようだ。
飾り気のない素顔のような言葉に揺さぶられ、突然に目頭が熱くなり、
ちょっとうろたえた。
平良さんの言葉には、自然を慈しみ、先人を敬い、
気負いもなく一本一本の糸に真摯に向かい合う姿勢がうかがえた。

芭蕉布が誕生するまでのいくつもの工程は、
素人目には本当に気が遠くなるような作業であり、
もちろん熟練した技術が要求される難しさも少なくない。
ビデオで拝見した作業場の皆さんの手の動きが、
空間にリズミカルな線を描いているようで美しかった。



途中で、会場内に平良さんがいらっしゃっていることに気づいた。
芭蕉布の着物姿の平良さんは小柄な方で、
何かとても柔軟な力強さが体内にぎゅっと詰まっているような方だった。
布には平良さん自身が織り込まれ、それが作品に表出しているのだろうと思えた。
とても輝いていて、すばらしく美しい人であると、心が震えた。



自分の日常では目にすることのないような色に囲まれた空間は、
そこが堅牢なコンクリートの塊の一画であることを忘れさせてくれた。
外では冷たい雨が降り続いていることさえも忘れさせた。








次の目的であるイベント会場でもステキな方たちがいらっしゃった。
そこでも様々な収穫があり、美しい女性とも知り合うことができた。
気軽に声をかけにくいような雰囲気があって、
でも話してみると、意外に私のように大雑把な女性のようだ。
思い切りのよさそうなスパッとした物言いもするし、
気が合いそうかも...
私の関心事とも接点がありそうで、これから楽しい時間が共有できるかも。
ここでも人とのよき出会いあり。





その後もついでに方々に立ち寄って、
銀座界隈を一人でずんずん歩き続けた。





帰り道、乗り換え駅の構内をスタスタと足早に歩いていた。
人波を突っ切るように歩く私に向かってやって来る人が、前方の視界に入った。
近寄ってきてその人は言った。

「とてもいい気を発していたので声を掛けました」

「はぁーっ?」

「日頃お心がけになられていることは何かなど、お時間がありましたら...」

「ありませんっ!」 キッパリ!

一瞬の会話。




なんだろう、あのヒトは???



30歳前後で身なりのカチッとした黒髪の女性だった。




日頃心がけていることって.....いまは




「食欲のままに暴走するなっ!!」

ってことぐらいだろうっ!(苦笑)





気を発しているだと!?

いい加減なことを言って近寄ってきて、
新興宗教にでも勧誘しようとしたのか?


あんなに速足で歩いていたのに呼び止められたなんて、
自分にそんなスキがあったのかと思うと....なんだかな...



夜道を歩きながら思い返すと、
あの黒髪の女性は妙な雰囲気があって、
唐突に不可解な言葉を発して、面白いといえば面白い。
「へんなヒトに声かけられたよ」って人に話してみると、けっこう笑える。







こうして、「人・女(ひと)・ヒト」との出会いが
きっとまだまだこれからもあるのだろう。
たとえそれがほんの束の間であっても、その時に何かが刻み込まれる。









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2007.10.01 | | Comments(0) | Trackback(0) | その他

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