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病院

目の前には11階建ての大学病院が見える。
いつ眺めても眠ることの無い病院。
全ての病室の灯りがいっせいに消えてしまうことは無い。
ひっそりと静まりかえった午前3時の闇の中に、
病室の蛍光灯の白っぽい灯りが浮かび上がっている。


四角い枠の中にかすかに白い制服姿のナースが見える。
彼女たちにとっては当たり前の日常の時間なのだろう。


でも、大きなコンクリートの塊の箱の中でずっとベッドに横たわってる人にとっては、
例え長い年月もの間そこで過ごしていたとしても、
それはその人の当たり前の日常ではないはずである。
自分の日常生活をある一点でストップさせたままで、病院の時間に組み込まれてしまった日々。
きっと病室の窓から見える外の風景は実際には移り変わっているのだけれど・・・
それは病室の住人にとっては、
まるで血の通わない無機的なパノラマのスライド写真のように感じられるのではないだろうか。
そして私は今そのコンクリートの塊の箱の外側にいて、
当たり前の日常の時間にいながら眺めている。





病院を眺めてると時々ふと思い出すことがある。
それは身内の看護の為にしばらく泊まりで付き添っていた時の事だ。


消灯後の入院病棟内は人工的な機械音が静寂を埋めていた。
時折病室から聞こえる力ない咳と、そして日頃の習性により身についたかと思われるような、
小走りするナースシューズの押し殺した音が人の気配を教えてくれた。
常夜灯の薄明かりの病室の中で、眠れない朦朧とした意識のまま何の脈絡もなく、
ぼんやりとした思いが断片のように横切っていった。
そして思った。
いつかは自分が看護する付き添いではなく病院の主役とも言える病人として、
この傍らのベッドに横たわっているのだろうか・・・痛みや苦しみを訴えながら。




稲葉さんの自宅のお気に入りの場所からはどんな風景が見えるのだろうか・・・・・








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2005.08.21 | | Comments(2) | Trackback(0) | 雑感

コメント

非日常世界

タイトルの「病院」というのを拝見して、ちょっと驚きました。 志凛さん、入院されたの!?という思いが脳裏を掠めましたが、内容を拝読して安心―。

僕は小学生の時、とある事情から夏休みの間、入院していました。その世界で繰り広げられる生活というのは、確かに日常とはかけ離れたものです。
しかし、僕自身はその「非日常生活」がすごく刺激的でしたね。一人部屋ではなかったので、年齢の近い子と朝から晩までトランプやゲームをしたり、暇な時は看護師さんが話し相手になってくれたりと、なかなか楽しかったかなぁ…。

まあ、これはあくまで約1ヶ月という短期的な生活だったからでしょう。これが長期化の兆しを見せ始めれば、僕の持つ感情・イメージもかなり変化していたと思います。

2005-08-22 月 16:12:50 | URL | マグノリア # [ 編集]

おかげさまで

マグノリアさん、私は今まで入院の経験がありません。
だから長期入院されてる病人の方のお気持ちは想像の域を超えるものではなく・・・・
ただ付き添いをしながらも病院生活を送った者として、
他の患者さんの入院生活ぶりも見ながらアレコレ思うものがありました。

マグノリア少年の入院生活は楽しいものだったようででよかったですね。
でも小学生にとっての一ヶ月あまりは、長い期間だと感じられたのではないでしょうか。

本当に病院内の時間の流れ方は、日常と隔絶されたような気分に陥りました。
何事も体感してみなければわからないものですね。

2005-08-22 月 19:24:23 | URL | 志凛 # [ 編集]

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